脳脊髄液減少症研修会開催される

脳脊髄液の漏出により起立性頭痛(立位によって増強する頭痛)を生じる脳脊髄液減少症については、NPO法人脳脊髄液減少症患者・家族支援協会(中井宏代表理事)が青森県知事に対しこれまで二度にわたり要望書を提出するなど、対策を求めてまいりました。これにより全国に先駆けて県庁内に相談窓口が設置され、医療機関情報を提供しております。
厚生労働省は「脳脊髄液漏出症」の治療として、ブラッドパッチ療法を保険診療との併用を認め、昨年7月1日から先進医療として治療がおこなわれるようになりました。このことを踏まえ、文部科学省は昨年9月5日に「学校におけるスポーツ外傷等による脳脊髄液減少症への適切な対応について」との事務連絡を各都道府県に出し、脳脊髄液減少症の周知に努めております。学校現場では運動部活動によるケガのほか、突発的な事故に見舞われる心配もあることから、養護教諭を含む教職員が脳脊髄液減少症について理解を深めることが求められております。
このため本日学校保健課題解決支援事業として「子どもの健康等に関する研修会」が青森市内で開催され、「学童期の脳脊髄液減少症」との演題で、国立病院機構仙台医療センターの鈴木晋介脳神経外科医長が講演しました。同センターはブラッドパッチ療法をおこなう東北で唯一の医療機関として、青森県をはじめ多くの患者を受け入れてまいりました。
学童期に脳脊髄液減少症を発症した場合、迅速な診断、治療を一環して受けられる体制の構築が急務となっております。引き続き今後も脳脊髄液減少症対策の充実に努めてまいります。