東日本大震災からの観光産業復活動向を視察

我が国の産業に計り知れない打撃をもたらした東日本大震災から間もなく一年をむかえようとしております。青森県の観光客入込数は、東北新幹線全線開業による効果により辛うじて前年並みの水準まで回復しているものの、本格的な新幹線特需を実感する迄には至っておりません。こうしたなか東アジアからの観光客がいち早く訪れ、観光産業に明るい兆しをもたらしている九州方面の取り組み状況を調査するため、大分県由布市を訪問しました。
人口3万5千人余の由布市は、農林業のほか観光産業が重要な基幹産業となっており、温泉保養地としても有名な由布院温泉は、NHKの朝の連続ドラマで全国的に知られるようになっております。本年の正月休みは日本人観光客で賑わっていたとのことですが、現在は日本人観光客の姿は少なく、むしろ旧正月を利用して訪れている韓国や中国、台湾などからの観光客の姿を多く見かけました。現在由布市を訪れる観光客の8割は東アジアからの観光客だそうです。
その理由として挙げられるのが、やはり各国からの交通アクセスの良さのようです。東日本大震災による東北地方に対する安全意識は徐々に理解されているようです。なかには九州から東北地方へと3泊4日で旅行する海外からの観光客もいるそうです。
由布市は標高4百メートル超に位置しており、青森市とさほど変わらない寒さだと感じました。夏や秋に較べとかく敬遠しがちな東北地方の冬の観光ですが、青森県青森空港三沢空港とも温泉地やスキー場までのアクセスは抜群でもあり、アピールの仕方によっては海外からの観光客にとって魅力のある観光リゾート地になることも充分可能であると感じました。こうした点も踏まえ、温泉保養士、温泉観光士としても働き掛けていきたいと思います。