2008年12月に「世界遺産暫定一覧表」に登載され以降、青森県、秋田県、岩手県の北東北と北海道の4道県による世界歴史遺産登録にむけた活動が継続されています。対象とされる主な歴史遺産群として、青森県の三内丸山遺跡(青森市)、亀ヶ岡石器時代遺跡(つがる市)、是川石器時代遺跡(八戸市)をはじめ8つの遺跡、秋田県の大湯環状列石(鹿角市)など2つの遺跡、岩手県の御所野遺跡(一戸町)が、また北海道では函館市の大船遺跡、鷲ノ木遺跡(森町)、北黄金貝塚(伊達市)、入江・高砂貝塚(洞爺湖町)がそれぞれ位置づけられています。
2015年の登録をめざし行政を中心に活動が進められておりますが、観光客誘客につなげるコンテンツのひとつとして民間レベルでの機運の醸成を図ろうとの趣旨に基づき「青函縄文世界遺産登録構想セミナー」が開催されることになり出席いたしました。函館市副市長、松前町長、函館市商工会議所副会頭、函館市コンベンション協会専務理事をはじめ行政や経済界関係者が一堂に会し、今後の積極的な取り組みを確認しました。
今回はセミナーに先立ち、函館市の大船遺跡の現場を訪れ学芸員から説明を受けるとともに、「函館市大船遺跡埋蔵文化財展示館」を視察いたしました。
セミナーではつがる市教育委員会学芸員の佐野忠史氏、函館市教育委員会学芸員の阿部千春氏より亀ヶ岡文化、大船遺跡をはじめとする遺跡群について講演がありました。
当初青森県単独による世界遺産登録を目指していたものの、暫定一覧表に登載されず継続扱いとなった経緯をふまえ、「第249回定例県議会(2007年3月)」において私は、北東北と北海道の4道県による登録を目指すよう要望いたしました。それを受け2009年6月に4道県による協定書を締結し、「縄文遺跡群世界遺産登録推進会議」などを中心に活動を展開してきた経緯があります。また「第259回定例県議会(2009年10月)」には北海道の垣ノ島B遺跡から三内丸山遺跡と同様、漆を使った遺物が出土したことを受け、世界遺産登録にむけたアプロートとして漆文化に光を当てるよう要望しております。セミナーでの阿部千春学芸員による講演のなかでも漆について説明があり感銘深く聞き入りました。縄文遺跡群の世界遺産登録にむけた活動とともに、青函交流の一層の推進を決意いたしました。