政府の雇用対策強化を望む

 2010年も今日一日となり、慌ただしい年の瀬を迎えています。帰省客ラッシュもようやくひと段落。年越しの夕餉を家族団らんで過ごすことと思います。
 いっぽうで職と住まいを失い途方に暮れる人たちが多くいることも現実です。29日と30日の両日、首都圏を中心に全国19カ所のハローワークで臨時の相談対応がおこなわれました。二日間で約6千2百人が相談に訪れ、職探しの支援や生活相談の対応にあたったとのことです。
 そうしたなかハローワークを視察に訪れた厚生労働大臣の不見識な発言が、相談に訪れた人たちの反発を招いたことが報じられました。「大臣はもっと現実を知ってほしい」との声に、改めて政府の緊張感の無さを痛感しました。
 有効求人倍率が若干上向いてきたとか、GDP国内総生産が改善に向かっているとか、数値に基づいた報道がされていますが、生活現場の厳しさはいっこうに改善の兆しを見せいていないのが現実です。国際金融市場の不安定要因に留まらず、政府の経済対策の遅れがその一因となっていることは否定できないと考えます。一年を振り返る各紙報道でもエコポイント制度の効果とともに、来年度のエコポイント制度の終了と、増税により家計への負担増が消費を冷え込ませるとの観測を報じております。また円高による影響の継続が指摘され、生産拠点の海外への流出が続くとの指摘も。雇用機会を失わせる、まさに負のスパイラル現象に陥っていく日本経済の厳しい現実を予感させます。無為無策の政府の経済対策に期待できない以上、日銀の金融政策による市場刺激策に期待したいところです。また企業には国内企業としての自覚とモラルをもち安易な生産拠点の海外移転を戒めてほしいと思います。雇用を守り、雇用を創ることに最大限の努力を講じてほしいと願うばかりです。
 今日は朝から台風並みの荒れ模様の天気となっています。この空の上は煌々とした太陽が地球を照らしているはずです。願わくば吹き荒れる経済不況が今日で終わり、明年が日本経済を照らし生活に明るい兆しを実感できる年となることを切望するものです。そして皆さまにとって明るい一年となりますことを祈念申し上げます。